第24回目を迎えるブリーダーズCはニュージャージー州オーシャンポートにあるモンマスパーク競馬場で初めて行われます。
それまでは土曜日のみのレースでしたが、今年から新設の3レースは金曜日にも行われ、今年から2日にわけた開催となるのが大きな変更点。
なお、新設の3レースは格付け委員会の方針によれば2年目まではグレード外として扱い、様子見するようです。
BC主催者側は来年行われるサンタアニタの時はGⅠにしてくれ…と申請するようですが、今年の成功しだいということですね。
ということでこれから11レースをざっと見ていきますが、並びはレース順です。
<フィリー&メアスプリント>
先陣を切るのはこのレース。
牝馬でダート短距離を得意とする馬は牡馬とのスプリントに出なければならなかったのですが、今年からはこちらに目標変更する馬が増えそうです。今年はD6Fですが、将来は7Fにするという計画みたいです。でもディスタフが9Fなだけに7Fじゃ意味がない気もするんですが…。
エントリーを見るとどうも人気馬より人気薄の方が期待できる気がしてなりません。とはいえ実績でリードするDream Rushと無敗のLa Traviataはしかたないかも。3,4頭目さがしになりそう。
Breeders' C. Filly & Mare Sprint (USA-L, D6F, Monmouth Park)
◎ Dream Rush
○ La Traviata
▲ Maryfield
△ Miraculous Miss
× Baroness Thatcher
<ジュヴェナイルターフ>
アメリカ2歳路線では芝の大レースはありません。重賞もわずかあるのみ。そういうこともあってか芝の馬にも光を、ひいては海外からの参戦を視野に入れての新設となりました。T8Fで行われます。
それにしても2歳戦は難しいですねぇ。ダートなら多少の情報はキャッチできるのでなんとなく見込みを立てられますが、、芝は皆無といっていい状態。芝適性がある馬をうまく見抜けるか…といいつつ本命はどう見てもダート馬ですね(笑)Fusaichi Pegasusの甥というだけでダートで大成しそう。
そういえば大種牡馬Danzigはこの2歳世代がラストクロップでしたね。
Breeders' C. Juvenile Turf (USA-L, T8F, Monmouth Park)
◎ Texas Fever
○ Achill Island
▲ Gio Ponti
△ Prussian
× The Leopard
× Domestic Fund
<ダートマイル>
こちらも6Fでは忙しいけど10Fじゃ息が持たないという馬にはぴったりのマイル戦。文字通りD8Fですが、モンマスのコース形態上70ヤードだけ長くなります。Discreet Catにはもってこいのマイル戦ですが、Lawyer Ronもこっちの方がいいような。
内3頭は確定ですが、4頭目をどれにしようか…。Corinthianは気持ちよく走らせるとしぶといしGottcha GoldはLawyer Ronを下したし…少頭数ながら中身は濃いですね。
Breeders' C. Dirt Mile (USA-L, D8F70Y, Monmouth Park)
◎ Wanderin Boy
○ Lewis Michael
▲ Discreet Cat
☆ Corinthian
<ジュヴェナイルフィリーズ>
2日目はここから。
フリゼットSの映像をたまたま見たんですが、メイドンで快勝したIndian Blessingがかなり楽勝していましたね。オッズ予想を見ていると2番人気争いは激しいものの1番人気はこの馬で決まりそう。あとは人気通りの走りを見せられるか。
Breeders' C. Juvenile Fillies (USA-Gr.1, D8.5F, Monmouth Park)
◎ Indian Blessing
○ Proud Spell
▲ Izarra
☆ A to the Croft
注 Phantom Income
<ジュヴェナイル>
Majestic Worriorは裂蹄のため回避となってしまいましたが、不足のないメンバー。
シャンペンS勝ちの無敗馬War Passがやはり1番人気予想ですね。
その次に支持されているTale of Ekatiの母Silence BeautyはSunday SilenceとMaplejinskyとの間に生まれた良血で、シンコーファーム産でアメリカに輸出(未勝利)されています。
個人的に気になったのがWicked Style。Macho Uno産駒というのがミソですね。GⅠブリーダーズフューチュリティを制した無敗馬であり実績もありますが、逃げタイプだけに大外枠がどう出るでしょう。
Breeders' C. Juvenile (USA-Gr.1, D8.5F, Monmouth Park)
◎ Wicked Style
○ War Pass
▲ Tale of Ekati
△ Dixie Chatter(回避)
☆ Pyro
× Salute the Charge
注 Slew's Tiznow
<フィリー&メアターフ>
10,11Fのどちらかで距離がよく変わるレースですが、今年は11F戦(ユナイテッドネイションズSと同コース)。
Nashoba's Keyが無敗のままBCも勝つのかが最大のポイント。この馬には問題ないでしょうが距離がどうなのか…という馬がちらほらいますね。
Breeders' C. Filly & Mare Turf (USA-Gr.1, T11F, Monmouth Park)
◎ Nashoba's Key
○ Wait a While(道悪のため回避)
▲ Honey Ryder
△ Lahudood
☆ Precious Kitten
× Argentina
<スプリント>
人気通りで決まりそう…で決まらないのがスプリント戦。今回もMidnight Lute・Smokey Stover・Greg's Goldあたりは来ると思いますがはたして。
新星の台頭という面ではIdiot Proof、血統で応援したくなるのがKelly's Landing。
Breeders' C. Sprint (USA-Gr.1, D6F, Monmouth Park)
◎ Midnight Lute
○ Smokey Stover
▲ Greg's Gold
△ Idiot Proof
☆ Benny the Bull
<マイル>
出ないっていったのに…。Tagg師はハリウッドターフから矛先をこちらに変えてきました。After Marketから勝負…と思っていましたがもちろん本命変更(笑)ケンタッキーダービーで本命だった馬がまさか芝のここでもう一度本命になるとは…。芝では無敗なのでそのまま4連勝で芝ダートGⅠ制覇を。
人気になっているのはExellent Artですね。カルティエ賞はほぼ確定のRamontiに2戦連続で2着と惜しい競馬をしているだけに実力も本物。
続くのはAfter Market。良血の前評判に違わぬ活躍。初GⅠ制覇の時はLava Manを破ってのものでした。
他にアメリカ勢ではウッドバインで調子を戻してきたKip Devilleや距離の守備範囲が広いTrippi's Stormも侮れない存在。
お、ディープインパクトの甥がなにげに人気ある(笑)Dettoriさんだしまさかの結果も。
Breeders' C. Mile (USA-Gr.1, T8F, Monmouth Park)
◎ Nobiz Like Shobiz
○ After Market(馬場を嫌って回避)
▲ Excellent Art
△ Trippi's Storm
☆ Remarkable News
× Kip Devillie
注 Jeremy
<ディスタフ>
メンバーの充実度ではマイルとディスタフが双璧。Rags to Richesがいないというのにこれはすごい現象。ダート路線は層が厚いですねぇ。
ふだんのGⅠなら買い、のメンバーばかりが集結したBCの醍醐味といえるレースになりそう。
買いたい馬ばかり印つけるとProp Me Up以外全部になってしまうので泣く泣く切りますか…。
まずは大舞台であっといわせる血統であるTiznow産駒の2頭。Bear Now・Tough Tiz's Sisともに前走重賞勝ち(後者はGⅠ)ですが、さすがにここはきつそう。穴を開ける1番手でもあるんですが…
ミレイディBCS,ヴァニティ招待HとどちらもNashoba's Keyの後ろで2,3着を争ったBalanceとHystericalady。どちらも実力ある馬だとはわかっていますが…。前者はつめの甘さが、後者はベスト7Fということが気になります。
展開のカギを握る馬の1頭であるTeammate。気分よくいけばシュヴィーHのようにうまくいきますが、前が激しくなるとタレてしまう…のは逃げ馬の必定でしょうか。ただ去年から大部分をGⅠで走ってきてこの成績は立派ですね。
これで6頭になったので消去法はここまで。3歳・4歳ともに3頭ずつが残りました。
現在1番人気予想はIndian Vale。堅実な成績を武器にこの大舞台で悲願のGⅠ初勝利がかかっています。
続くのは夏にGⅠを制したGinger PunchとUnbridled Belle。
この3頭の中ではGinger Punchでしょうか。ベルデイムSではほかの2頭に先着を許しましたが、未だ着外がないというのは大きなプラス材料だといえるでしょう。
着外がないといえば3歳3頭はすべてあてはまりますね。うーん、、さすがにレベルが高い。上3頭は流動的に。
Breeders' C. Distaff (USA-Gr.1, D9F, Monmouth Park)
◎ Lear's Princess
○ Ginger Punch
▲ Lady Joanne
× Unbridled Belle
× Indian Vale
注 Octave
<ターフ>
これはもはやDylan Thomasに勝ってくださいと言わんばかりのメンバー構成。迎え撃つアメリカ勢もフランス移籍組だということをふまえてもアメリカ芝路線のモロさが露呈していますね。
そういう意味でも地元のEnglish Channelはアメリカの威信低下になってしまうだけにDylan Thomas以外に先着を許してはいけないでしょう。連覇しているユナイテッドネイションズSと同コースというのも追い風になりそう。
そのEnglish Channelをラチ強襲で破ったのがGrand Couturier。ここであっと言わせればJCに出るという話も。
それから「災害とBetter Talk Nowは忘れたころにやってくる」…覚えてたから今年はないかも(笑)
Breeders' C. Turf (USA-Gr.1, T12F, Monmouth Park)
◎ Dylan Thomas
○ English Channel
▲ Red Rocks
× Grand Couturier
注 Shamdinan
<クラシック>
Invasorのあまりの偉大さを物語るかのような穴の大きさ。加えてドバイワールドCですばらしい一騎打ちを演じたPremium Tapはサウジで音信不通。。それを好機とみて再び急成長したLawyer Ronが現在古馬の大将格。ただ、この馬の豊かなスピードを考えるといかに小回りとはいえダートマイルの方が向いてるんじゃないかなぁ…とは先ほどいった通り。
古馬のコマ不足の反動か3歳はかなり強力な布陣。
BCウイナーとして初めてケンタッキーダービーを制したStreet Sense。
その王者をプリークネスSで下したCurlin、やや距離が微妙ながら前走王者を下した「Smarty Jones2世」Hard Spun。
春は王者にハナ差まで肉薄、夏に力をつけてドワイヤーS,ハスケル招待H,ブルックリンHと3連勝で勢いは1番のAny Given Saturday。
ダービー馬を兄に持ち、兄弟そろって強力な末脚を武器とするGⅠ2勝馬Tiago。
どれが来てもおかしくないですね。
本来ならDiamond Stripesもじゅうぶんチャンスありなんですが、このメンバーではやや厳しいものが。なんでダートマイルいかなかったんだろう。。
George WashingtonはExcellent Artとのかねあいもあって今年もクラシックなんですねぇ。
しのぎを削りあって高めあってきた3歳を上と見ましょう。ラビットのいないガチのレース、楽しみですね。
Breeders' C. Classic (USA-Gr.1, D10F, Monmouth Park)
◎ Street Sense
○ Any Given Saturday
▲ Curlin
× Hard Spun
× Lawyer Ron
注 Tiago
何レース当たるかな?(笑)
Nobiz Like Shobizが勝てば何もいうことないですが…
モンマスパークはアケダクトと同じくそれほどGⅠのない東海岸の競馬場ですが、ユナイテッドネイションズにハスケル招待と重要なレースも抱える競馬場です。GⅠ年2回の競馬場が大いに盛り上がることになるでしょう。
それにしても3年前にテキサスにあるローンスターパークでBCが行われましたが、GⅠのないところで開催(この年のみ)というのは珍しいですねぇ。
<国内>
枠順が確定しましたね。
メイショウサムソンは最内でユタカさんがどんな騎乗をするのか興味深いです。なによりあの時と同じ枠ですから…
ダイワメジャーは不気味にも去年とまったく同じ7枠14番。
そして天気が歓迎のポップロックにはPeslierさん。ロワイヤルオークやサンクルーでのクリテリウム2レースも残っていますが、早くも来日なんですね。
お、ズビさんもさりげなく来日してる(笑)こちらは福島かな?
土曜の2重賞は非常に楽しみなメンバー。
ユタカさんはてっきりロングプライドだと思っていたんですが…けっきょくペールギュントですか。
武蔵野Sは実力どころを、スワンSは逆に昇級組から穴狙いで…と買いたい馬はすでに決まっています。
明日から天気は下り坂。よくて稍重、たぶん重のコンディションになるでしょう。